「こんにちは、拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
なんと十一回目を数える事になったこのラジオ。いい加減にして欲しいですね。さて、今回のゲストは」
「「「こんばんはーっ!」」」
「無駄にドルビーサラウンドでご登場、その他諸々な皆さんです」
「「「一括りにされてるっ!?」」」
「……どなたがどなたなのかさっぱりわかりません。これは喧嘩を売られてると認識しても良いのでしょうか……?」
「ちょとーっ! えくすたしーになってから人気急上昇な私をこんなやつらと一緒にしないでくれるかなっ!」
「我々がいるからこそ西園君はバトルランキングで猛威を振るうことが出来るのだと思うのだがっ!」
「僕が登場することによって笹瀬川さんは勿論、直枝君と棗さんのキャラ立ちも映えるんだと思ってたのに……」
「あー、はいはい。旧寮長となんだかよくわからない部と絶対に実らない恋の当て馬さんですね、こんにちは」
「あーちゃん先輩だよっ!」
「科学部だっ!」
「相川です……」
「そもそも貴方達はどちらさまでしょう?」
「「「サブキャラっ! 彩りを活かすサブキャラですっ!」」」
「皆さん中々素敵な容姿をされていらっしゃったのですね。……いい機会です。リスナーの皆さんにお披露目しましょう」
「「「これラジオっ! 音声っ! 聴覚のみだよっ!?」」」
「そんな皆さんにも励ましのお便りが。ラジオネーム……まぁどうでもいいですね」
「「「どれだけ王様なのっ!?」」」
「『あーちゃん先輩って、絶対えちいと思います』」
「そんなことないよっ!? 何!? そんなイメージ持っちゃ駄目だよっ!?」
「『NYPを解析する前に空気読め』」
「存在の全否定っ!?」
「『相川だっけ? 相沢だっけ?』」
「それ違うっ! 雪国男とは違うよっ!?」
「貴重なご意見ありがとうございました。少しでもこの方達の事が話題になればと思います。それでは次回をお楽しみに」
「「「ヒロインの余裕っ!?」」」
「こんにちは、拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
第十二回、今回のゲストはこの方」
「むぅ……。何を語れば良いのだろうか……」
「制服姿が正にアレ。宮沢謙吾さんです」
「待て待て待て! 今は胴着を着ているだろうっ」
「既に私の目には着衣など些細な事象でしかないのですが」
「ぐぬっ……。その怪しく輝く瞳……、何を企んでいる?」
「宮沢……×……直枝……。ありきたりですね……」
「……とっととお便りコーナーへ進んでもらおうか……」
「棗……×……宮沢……。幼少時からの繋がりはとても良いものです」
「進 ん で も ら お う か っ」
「棗……×……直枝……。やっぱりこれこそが王道ですね……」
「俺が入っていないだろうがっ!」
「っ!? ……やはり……。ごちそうさまでした」
「満足げな表情をするなっ!」
「まーーーーん」
「棒読みで人の決め台詞を取るなぁ!」
「もーーーーん」
「そんな台詞を言った憶えはないっ!」
「まったく……やれやれですね。少しは女心を理解しないと刺されますよ?」
「ぐあぁ……。どうも西園との会話は苦手だ……」
「勿論わざとです、ご安心を。さて、次回は……? あの学校へ、ですか……?」
「こんにちは、拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
今回から趣向を変えまして、なんと出張西園シスターズ。光坂高校資料室からお送り致します。
十三回目のゲストはこの方、岡崎朋也さんです」
「お前……。人の学校に何しに来てるんだよ……?」
「メディアへの露出が増えて調子乗ってる岡崎さんでした」
「乗ってねえよ! そもそも人を呼びつけておいてこれで終わりかよっ!?」
「ハーレム築いて光の玉を集めてウハウハなんですか?」
「どんだけフリーダムな発言してんだよっ!」
「……もしも私がこの学校に在籍していて岡崎さんと出会っていたら……。きっと、目を奪われていたかもしれませんね……」
「っ……悪い……。そう言ってもらえて嬉しいけど、俺には渚が」
「岡崎ハーレムはごめんですが」
「返せっ! 真剣に悩んだ俺の一瞬を返せっ!」
「そんな岡崎さんにお便りの山が届いています」
「あーもうっ、なんだよ」
「ラジオネーム『風子っ参上っ』さんからです」
「匿名の意味ねえよなそれっ!?」
「『風子の魅力にメロメロな岡崎さんへ。風子、とても疑問に思うことがあります』」
「はいはい何でも答えてやるよ。それと風子? お前文章の中で既に名前バレしてるからな?」
「『お姉ちゃんの年齢は今現在いくつなんでしょうか?』」
「知るかよっ!? ってかそれに触れちゃ色々とまずいんじゃねえのかっ!?」
「『ちなみに風子はアダルトです』」
「あーーーっ、どこからつっこめば満足してくれるんだ!?」
「ボケにつっこみに大忙しな岡崎さんでした。次回からは彼の交友関係を攻めてみたいと思います」
「有紀寧っ! どこだ有紀寧っ! こんなやつまで資料室に入れんじゃないっ!」
「こんにちは、拍手お礼ラジオ『出張版:西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
第十四回、今回のゲストはこの方」
「おかざきうしおです」
「……いけません。可愛いすぎますね。これは新たな喜びに目覚めてしまいそうです。
え? 時系列? はて、リスナーの皆さんから妙な思念を受信しましたが素敵に無視です」
「……? むし?」
「お気になさらず」
「うんっ。……えへへ」
「誘ってますか? 誘ってますね? 不可抗力という大義名分は誇大解釈の坩堝ですよね」
「わかんない」
「ええ、そのほうが私としても助かります……。ん、んん。では気を取り直して、恒例の……」
「おしっこ」
「はい?」
「おしっこ」
「あらあらまあまあ。構いませんよ。一人で行けますか?」
「うん」
「それではみなさん、少々お待ちを……? 汐さん、どうされたのですか? 行かないのですか?」
「おねえちゃん」
「はい。あなたのお姉さん美魚美魚ですよ?」
「ひとりでできた?」
「私がですかっ!? 流石に出来ますよ! いえ別にカミングアウトしてるわけではありませんがっ」
「こまだ」
「唐突なバッティングポーズ!? 汐さん? お手洗いに行くのでは……」
「ばーす」
「そっくり!? 皆さんにお伝えする術を持たないほどに伝説の選手と瓜二つですよ!?」
「んー、ばいばい」
「ああっ! このタイミングで放置ですかっ! ……さて、録音した部分の消去方法は、と──」
「こんにちは、拍手お礼ラジオ『出張版:西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
第十五回、今回のゲストはこの方」
「こ、こんにちはっ」
「随分と緊張されていらっしゃるようですが岡崎渚さんです。よろしくお願いしますね」
「ふええっ!? にっ西園さんっ! 私は古河ですっ!」
「……? ではそれでいいでしょう。ここでは古河さんらしいです。失礼致しました」
「……そんな、私と朋也くんはまだ……でも……そうなれたら……えへへっ」
「謝罪の必要性を感じさせない空気がまぎれていますね。空気洗浄器はありますか? はぁ、そうですか」
「えと、質問に答えればいいんですよねっ」
「ええ、そのように。それでは早速参りましょう。ラジオネーム『わたしのまま』さん? ……からです」
「とても珍しいお名前ですね」
「確かに。そういうプレイでしょうか」
「え?」
「お気になさらず。『わたしのぱぱ。ぱぱはとってもやさしいです。いつもあたまをなでてくれます。
ぱぱはとってもすごいです。いつもおいしいごはんをつくってくれます。
ぱぱはとってもなきむしさんです。ときどきままの……』」
「? 西園さん?」
「これ以上はやめておきましょう……それにこの先には固有名詞も出てきますし」
「え、ええと」
「時系列? ですからそんな電波は爽やかに無視です」
「???」
「これはとある幼稚園児さんが書いた作文です。……渚さん。ひとつよろしいでしょうか」
「は、はいっ」
「一言だけ。一言だけで結構ですので、この子にお願いします」
「ほ、本当によくわからないんですけれど」
「この子の手紙ですが、自分の母親から向けられていたであろう愛情を知りたがっている、という内容でした。
お願いします。一言だけでいいので、お願いします」
「……パパのことが大好きなんですね。きっと、パパもあなたの事が大好きなんですよ?
それにママも。大丈夫です。もしも私がお母さんだったとしても、きっと大好きだと思うからです。
お手紙、ありがとうございました。……これでいいんでしょうか?」
「……はい。本当にありがとうございました。本日のゲストは古河渚さんでした」
「こちらこそ。ありがとうございました」