「こんにちは、拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美魚です。
なんと十六回目です。そろそろテコ入れが必要ですね。さて、出張編も終わった今日、今回のゲストは」
「こんばんは。直枝理樹です」
「妙にこなれてるのが面白くない直枝さんですねこんばんは」
「挨拶しただけなのにどういうことなのさっ!?」
「と、嬉しそうにつっこみを入れる直枝さんです。生き生きとしていますね」
「うん。とりあえず西園さんとは一度、立ち位置に関して話し合いをするべきなんじゃないかなって思うんだ」
「女装してない理樹さんなんてどうでもいいです」
「女装が僕にとって当たり前っぽく言わないでよっ」
「しょうじきどーでもいー」
「それ鈴の台詞だよねっ!?」
「なんですか? これだからブリーフ派の人は……」
「会話しようよっ!?」
「告白ですか?」
「寧ろ告発したくなるっ!」
「はい。リスナーのみなさーん。今直枝さんが面白い事言いましたー。拍手ー」
「その反応こそ訴えていいよねっ!」
「好きですよ。直枝さん」
「……っ、え、……あ、えと……」
「真っ赤な嘘ですが」
「返してよっ! 僕のどぎまぎ返してよっ!」
「どぎまぎとはこれまた懐かしい単語を。そんな直枝さんに耳よりな情報があります」
「え? 色々と不安だけど取りあえず聞き返してみるよ」
「なんと幼馴染オンリーという直枝さん総受けなイベントが開催されるようですよ?」
「どーいうことさそれっ!?」
「私の愛蔵本が増えるということですね。そんなこんなで次回をお楽しみに」
「行く気満々だよねっ!?」
「こんにちはっ。拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美鳥ですっ。
今回は数えて十七回目。ずいぶんと長く続く拍手お礼ですよね。私? ええ、勿論私も楽しいですよっ」
「ちょっと待て」
「それでも人気者な美鳥ちゃんは毎回毎回全力で、リトルバスターズの面々の実録をみなさんに、」
「待て待て待てっ!」
「……どうしたの恭介さん? 話をしてる最中に割り込むなんてゲスト的にどうなのかな?」
「いや、どうして普通にお前なの?」
「え?」
「いやいや」
「私?」
「ああ。どうして美魚じゃなくてお前がいるのかと」
「……テコ入れ?」
「ぶっちゃけたよこの娘!」
「まぁまぁ落ち着いてくださいよ恭介さん。そろそろ恭介さんも思ってたんじゃないですか?」
「ん? 何を?」
「『美鳥出てこないかなー。ぐへへ。あのえろ娘はたまらんわホンマ』って」
「思ってねーよっ!」
「そんな(21)な恭介さんにお便りがありません」
「ああ、なんでも答えるぜ……って、ん?」
「ですからないんですって。お便り」
「……ならどうすんだよ今回の放送は。昼休みの終わりまでまだまだ時間はあるぞ?」
「ええ、ですので個人的な質問を少しばかり用意してきました」
「質問、か。いいぜ。任せとけって!」
「『恭介さん、あなたがパーソナリティーを務めているラジオなんですが、
聴いていると近頃本当に貴方がろりなのでは、」
「さーっ残念ながらここで時間だなっ! うん、あっという間だった!」
「……え? まだ猶予はありま、」
「次回も美鳥が出張るみたいだ! またなっ!」
「ちょ、恭介さん! 勝手に締めないでくだ」ブツリ
「こんにちはっ。拍手お礼ラジオ『西園シスターズ!』司会の西園美鳥ですっ。
私の司会もこれで二回目っ。ラジオ自体は十八回を迎える事となりましたーっ。ゲストはこの方っ」
「うぇえ? えと、美魚、ちゃん……だよね?」
「ほんわかキュート、時折黒いぜな彼女。神北小毬さんですっ」
「ふわあっ、黒くなんてないよーぅ」
「甘えた声の影にはお気に入りな男性を惑わすための計算が見え隠れ……」
「あううー。なんかこーわーいー」
「最高ですねっ! 師匠!」
「ほわっ!? ものすごい笑顔でサムズアップされてるよ!?」
「そんな一部で大人気な黒小毬さんへのお便りです」
「……むー。いいもん。後で理樹くんと一緒にお菓子食べるんだもーん」
「……その予定が純心な感情からなのか、はたまた噂の黒小毬計算なのかは置いておいて、と。
こほん。『小毬ちゃん。聞きたいことがある。……理樹とうちの馬鹿兄貴とどっちを狙ってるんだ?』」
「狙ってなんかいないよーっ! それに近頃は謙吾くんだって……あ」
「……」
「……」
「「ねー?」」
「と、無意味にお互い笑顔を交換しつつ、本日もお時間となりました。怖い怖い」
「そんなことないよ? うん、聞かなかったことにしよー」
「とはいえ既に放送されているのですが……」
「これかな? 録音テープって。はい。イジェクトしちゃいましたー♪」
「小毬さんっ!? 勝手に機材を弄らないで……っ」
「いい? 聞いてたみんなも……聞かなかったことにしよー。……わかってるよ、ね?」